韓国に行った際、どの方法が一番得に両替できるのか気になったので、現金両替・クレカ・デビットカード・プリペイドカードで両替をしてみて比較しました。
目次
韓国旅行に行った際、どの手段で現地通貨「ウォン」を入手するのが一番得か調査してみました。
韓国の現地通貨「ウォン」を調達する手段
韓国では日本同様多くのお店でクレジットカードが使えますが、現金しか使えないお店もあります。また、韓国の地下鉄の料金支払いや交通系ICカード「T-money カード」の購入・チャージにも現金が必要です。
韓国の通貨は「ウォン ₩」です。2024年現在 1₩=0.11¥,1¥=9₩くらいのレートです。
ウォン紙幣を入手するには、大きく二つの方法があります。
- 両替所で日本円紙幣と両替する
- ATMでクレジットカード・デビットカード等を使ってキャッシング・引き出しをする
両替所で両替する
両替所は日本の空港・韓国の空港・韓国の繁華街(明洞など)にあります。場所により、両替レートにだいぶ差があります。
自分は羽田空港第3ターミナルから韓国ソウルの金浦空港に飛びました。日韓両空港の両替レートは下のとおりです。
場所 | 韓国ウォン / 日本円 | 日時 |
---|---|---|
羽田空港(制限エリア内) | 8.30 | 2024年11月14日 22時 |
金浦空港(税関審査後) | 8.35 | 2024年11月14日 15時 |
【参考】為替 仲値 | 9.03 | 2024年11月14日 9時 |
日本の空港の両替レートは終わっており、まだ韓国の金浦空港の方がマシですが、両者とも為替仲値に比べると7.5~8%悪いです。
なお、金浦空港到着が22時を過ぎていたからか、両替所は税関審査直後の一箇所しか開いてませんでした。日中だと制限エリア外の両替所も開いてるとは思いますが、金浦空港到着が遅くなる場合はお気をつけください。
また、韓国の繁華街、明洞でいくつかの両替所を巡った際の両替レートは次のとおりです。こっちは為替仲値とほぼ同等です。どうやって利益出してるのか不安になるくらいレートが良いです。
場所 | 韓国ウォン / 日本円 | 日時 |
---|---|---|
MONEY BOX 明洞2号店 | 8.93 | 2024年11月15日 12時 |
明洞第一両替センター | 8.95 | 2024年11月15日 12時 |
大使館前両替所(明洞) | 8.96 | 2024年11月15日 12時 |
【参考】為替 仲値 | 8.97 | 2024年11月15日 9時 |
まとめ
- 日本の空港(羽田空港)の両替レートは最悪。
- 韓国の空港(金浦空港)の両替レートは悪い。到着が遅いと制限エリア外の両替所は開いてないので注意。
- 韓国の繁華街(明洞)の両替レートは最強。
ATMでキャッシング・引き出しをする
VISA・Master・JCBなどの国際ブランドのクレジットカード・デビットカード・プリペイドカード の中には、海外ATMで現地通貨の引き出しが可能なものがあります。
クレジットカードで海外ATMでの現地通貨引き出しをしたい場合は、事前に「海外キャッシング」の申込み・審査が必要になります。クレジットカードの中でも、ビューカードや、三井住友OLIVEなど、海外キャッシング非対応のカードもあります。キャッシングですので、返済までに年利15~18%の利息が発生する点には注意が必要です。
デビットカードにも、海外ATMでの現地通貨引き出しが可能なものがあります。例えば、三井住友OLIVEは、デビットカードとして海外ATMでの現地通貨引き出しが可能です。即時引き落としされるので、利息は発生しませんが、現地ATMの利用手数料が徴収される場合が多いです。
一部プリペイドカードは、海外ATMでの現地通貨引き出しに対応していたりします。RevolutやWiseは有名どころでしょう。JAL Global Wallet(≒JAL Pay)なんかも海外ATMでの引き出しができます。
各種カードは、発行元によって、手数料の有無やその率が異なってきます。海外ATMでの現地通貨引き出し時に課される手数料には、以下があげられます。
手数料の種類 | 徴収元 | 手数料・率 | 備考 |
---|---|---|---|
海外事務手数料 | カード会社が徴収 | 1.6~3.8% | クレカキャッシングでは基本的に徴収されない |
ATM利用手数料 | カード会社が徴収 | 100~200円 | 現地ATMからもダブルで徴収される場合あり |
ATM利用手数料 | 現地ATMが徴収 | 数百円 | クレカキャッシングでは基本的に徴収されない |
利息 | カード会社が徴収 | 年利15~18% | クレカキャッシングでのみ徴収される |
ATM利用手数料が曲者で、カード会社側が徴収するものと、現地ATMが徴収するものがあります。例えば、三井住友銀行のページを見ると、次のような記述があり、カード会社・現地ATM両方から徴収され得ることが示唆されています。
1回の取引につきATM利用手数料110円(消費税込)がかかります。
また、海外ATM設置機関所定の手数料がかかる場合があります。
実際に引き出して比較する
実際にクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードを使って、金浦空港のATMで「ウォン」を引き出してみました。使用したカードは次のとおりです。
カード名(発行会社) | 種類 | 国際ブランド |
---|---|---|
ANA マスターカード(三井住友カード) | クレジットカード | Master |
OLIVE フレキシブルペイ(三井住友銀行) | デビットカード | VISA |
JRE BANK デビット(楽天銀行) | デビットカード | JCB |
Revolut | プリペイドカード | VISA |
JAL Global Wallet | プリペイドカード | Master |
それぞれのカードで、100,000 ウォンを引き出した結果が次のとおりです。
カード名 | 支払い額 | ATM手数料 (カード会社側) | ATM手数料 (現地ATM側) | 利息 | レート (左記手数料抜) | 内 海外事務 手数料 |
---|---|---|---|---|---|---|
ANA マスターカード (6日後繰上返済) | 11375円 | 220円 | 無 | 32円 | 0.11123 | 無 |
ANA マスターカード (繰上返済なし) | 11500~11700円 | 220円 | 無 | 150~350円 | 0.11123 | 無 |
OLIVE フレキシブルペイ | 12094円 | 110円 | 3600ウォン 約400円 | – | 0.11568 | 3.63% |
JRE BANK デビット | 11552円 | 無 | 無 | – | 0.11552 | 3.08% |
Revolut | 11568円 | 無 | 3600ウォン 約400円 | – | 0.11166 | – |
Jal Global Wallet | 11936円 | 2000ウォン 約220円 | 無 | – | 0.11701 | – |
繰上返済する場合のクレカのキャッシングが最安、次点で、JRE BANK デビット(楽天銀行)が優秀という結果になりました。JRE BANKデビットが結構良いのは正直予想外でした……
順番に詳しく見ていきましょう。
ANA マスターカード(三井住友カード)
三井住友カード発行のクレジットカード、ANA マスターカード。ATM手数料・利率は次の通り。
利率(実質年率) 18.0% ATM手数料 取扱金額 1万円以下…110円(含む消費税等)
取扱金額 1万円超…220円(含む消費税等)
利息は、キャッシング使用日~支払日(返済日)までの日数で変化する。三井住友カードの公式サイトに利息を計算するツールがあります。
利息を抑えるなら、繰上返済も可能ですが、手数料をかけずに繰上返済するには、キャッシングデスクに電話する必要があります。すぐに繋がることは稀なので、辛抱強く待つ必要があります。
今回、旅行後に繰上返済をしたので、1万円強の利用に対し、利息は32円で済みました。繰上返済をしない場合は、支払日までの25日間~最悪56日間の利息、1万円使用したとすると120円~270円程度の利息が発生するので注意が必要です。
カード会社側のATM手数料は、1万円超の利用だったので220円発生しました。一方、現地ATM側のATM手数料は請求されませんでした。ATM利用時には「3600ウォンの手数料がかかる」と表示されましたが、実際には請求されてません。クレカの海外キャッシングでは、基本的に現地ATMが取る手数料は請求されない場合がほとんどらしいです。
ATM手数料・利息を抜いた両替レートですが、0.11123 と最良です。11/14 のMasterの為替レートが0.11166 なので、それよりも何故か良いです。三井住友カードの外貨ショッピング利用時の海外事務手数料は3.63%ですが、キャッシング利用時には上乗せされていないようです。
旅行後すぐに繰上返済したので、結果として11375円の請求となりました。繰上返済しなかった場合は11500~11700円程度請求されていた可能性があります。
OLIVEフレキシブルペイ(三井住友銀行)
OLIVEフレキシブルペイは、キャッシュカード・デビットカード・クレジットカードが一体となった不思議なカードですが、海外ATMで現地通貨を引き出す際には、VISAデビットカードとして使うことになります。
海外事務手数料・ATM手数料は次の通りです。
海外でのショッピング・ATM利用については所定の海外事務処理手数料3.63%(税込)が上乗せされます。また、海外ATM利用の際には1回につき事務手数料110円(含む消費税等)およびATM設置金融機関所定の手数料がかかります。
今回、OLIVEでの引き出しの際、カード会社側のATM手数料110円と、現地ATMが取る手数料3600ウォン(≒400円)がダブルで徴収されました。三井住友銀行のデビットカードの場合、ダブルで徴収されてしまうようです。
また、ATM手数料を抜いた両替レートは 0.11568 となります。海外事務手数料3.63%が上乗せされてそうです。11/14 のVISAの為替レートが0.11162ですが、これに3.63%を上乗せすると、ちょうど0.1157くらいになります!
結果は12094円でした。クレジットカードのキャッシングと比較すると、利息がかからないけど、数百円の現地ATM手数料と海外事務手数料3.63%が上乗せされてしまい、結果として手数料が多くかかってしまいました。
JRE BANK デビット(楽天銀行)
JRE BANK はJR東日本がサービスを開始した銀行です。実態は楽天銀行で、JRE BANKはその支店に過ぎません。
JRE BANKはキャッシュカード兼デビットカードを発行しており、国際ブランドはJCBです。デビットカードのショッピング利用時の還元率は0.2%と少ないので、利用する人は少数でしょう。本家楽天銀行のデビットカードは1%だった気がします。
海外事務手数料・ATM手数料は次の通りです。
海外でご利用になった場合の換算レートは、外貨額を国際ブランドが指定するレート※に、海外利用にかかるコストとして、3.080%(税込)を加えたものになります。
JRE BANKデビットもとい楽天銀行デビットでの引き出しの結果ですが、カード会社側からも、現地ATM側からも、ATM利用手数料は請求されてなさそうでした!
両替レートは 0.11552 で、11/14のJCBの為替レート0.111に海外事務手数料3.08%を上乗せした値と大体同じです。
結果は11552円でした。海外事務手数料3.08%が上乗せされるとはいえ、カード会社・現地ATM双方のATM利用手数料がかからないのは大きなアドバンテージです。
さらに、デビットカードの明細を見ると、23ポイントが付与されていました。JRE BANKデビットの還元率が0.2%なので、11552円満額分のポイントが還元されたことになります。OLIVEなど他の銀行デビットでは通常ポイント還元されないと思います。
Revolut
Revolutは両替がお得にできることを売りにしているプリペイドカードです。登録・利用は無料でもできますが、海外ATMで利用するには送料500円を支払ってリアルカードを発行する必要があります。
ATM引き出し手数料は次のとおりです。
- 月次サイクル*で月額25,000円までのATM引き出しは無料です。外貨による引き出しの場合、月額25,000円相当額までとなります(引出時の為替レートで計算されます。)。
- 上記金額を超える引き出しについては、かかる超える部分の引き出し金額に対して2%の手数料がかかります。
- お客様は月次サイクル内のATMによる無料引き出し可能額の残高についてRevolutアプリで確認することができます。
- お客様がATMでお引き出しをされる場合、ATM事業者からの手数料が発生することもありますのでご注意下さい。
今回、Revolut側からはATM引き出し手数料は請求されませんでしたが、現地ATMの利用手数料3600ウォンは請求されました。
ATM手数料を抜いた両替レートは 0.11166 でかなり良いです。11/14の為替仲値が0.1107なので、Revolut側による上乗せは0.86%程度です。
現地ATM側の利用手数料が請求されますが、優秀な両替レートのおかげで11568円と悪くない結果となりました。
JAL Global Wallet
JAL Global Wallet は今や JAL Pay に付帯するサービス的な位置付けで、JAL Pay を開設した後に「ショッピング+ATMコース」に申し込むことで無料で発行できるMasterブランドのプリペイドカードです。
ATM手数料は次のとおりです。
海外ATMの出金手数料は、200~300円(非課税)相当額です。
※海外ATM手数料は各通貨単位建てです。円換算後の手数料は為替レートにより変動します。詳細は以下よりご確認ください。
※実際のATMの画面上では手数料発生の案内がありますが、 お客さまに請求されることはございません。
※出金手数料とは以下を示します。
ATM設置金融機関がATM利用料として定めるもの。
※ATM設置金融機関などが独自に提供するサービスの手数料(両替など)は含まれません。
韓国の場合、2000ウォンがJAL側が請求するATM手数料となります。上の案内の通り、現地ATMで表示された3600ウォンの手数料は請求されませんでした。
ATM手数料を抜いた両替レートは 0.11701 と悪めです。11/14の為替仲値が0.1107なので、上乗せは 5.7% 程度あります。
ATM手数料は安いものの、両替レートの上乗せ分が足を引っ張り、結果は11936円とよろしくないです。
なお、両替の際、1000円につき7マイル(0.7%)の両替マイルが付与されます。
まとめ
- 両替レートの上乗せがほぼないのはクレカのキャッシングとRevolut
- ATM手数料(発行会社側+現地ATM側)がほぼないのはJRE BANK(楽天銀行)デビット
Revolut・デビットカードならJRE BANK(楽天銀行)・繰上返済の手間を惜しまなければクレカのキャッシングでも良いと思います。
まとめ
- 明洞での現金両替が最強
- 空港で両替するならATMでのキャッシング・引き出し
- Revolut・デビットカードならJRE BANK(楽天銀行)・繰上返済が面倒でなければクレカのキャッシング